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by DELI

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2014年8月15日金曜日

「ONE」vol.3

一方、キングの提唱した運動の特徴は徹底した「非暴力主義」である。インド独立の父、マハトマ・ガンディーに啓蒙され、自身の牧師としての素養も手伝って、一切抵抗しない非暴力を貫いた。一見、非暴力主義は無抵抗で弱腰の姿勢と勘違いされがちだが、キングのそれは、『非暴力抵抗を大衆市民不服従に発展させるものだった。そして支配者達が「黒人は現状に満足していると言いふらしてきた事が嘘である」ことを「全世界中にハッキリと見せる」という、決して単なる弱腰姿勢ではなかった。』※ウィキペディアより抜粋

※マルコムX出生名はマルコム・リトル (Malcolm Little) 。非暴力的で融和的な指導者だったキング牧師らとは対照的に、アメリカで最も著名で攻撃的な黒人解放指導者として知られている。

そして時は1970年代に入り、2人のアイコンと共に、時の大統領JFKも暗殺され、ムーブメントが沈静化へ向かうに従って更に過激化して行く側面も生んだ。
それが、政党ブラックパンサーである。
警察の暴力には暴力をも辞さない、アフリカ回帰的思想を強く持つ政党であり、活動の為に投獄されるものも多く、その中の一人の女性メンバーが獄中で出産した赤ん坊が、後のヒップホップアイコンTUPACとなるのも、運命のいたずらではなく時代の必然なのであろう。

「ブラウン管に映される白人の美意識に、感化され羨望する事自体が愚かだ。」「自分達の容姿を誇れる様になるべきだ。」「髪の毛をアフロにし、アクセサリーに生地もアフリカの様式美を取り入れる。」それらの考え方が多くの黒人達を啓蒙し、文化としての土台を築き上げていった。

※1965年、公民権運動を指導していたマルコムXの暗殺後に活動を開始し、1968年、マーティン・ルーサー・キングが暗殺されてから活動は盛り上がりを見せた。

ブラックパンサー党は、戦闘的な面を持つマルコムXの暴力主義を受け継ぎ、マーティン・ルーサー・キングの非暴力主義を否定していた、学生非暴力調整委員会 (SNCC) のストークリー・カーマイケルを、一時期、党の主席に迎えた。しかし思想などの面で意見が合わず、結局離党した。
彼は非暴力主義には批判的であったが、キング牧師個人には尊敬の念を抱いていた。

ブラックパンサー党は、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、そして、アメリカ合衆国国内の被差別民族との連帯を宣言し、彼らの思想を「インターコミューナリズム」と名づけ、機関紙「ザ・ブラック・パンサー」に、海外の闘争を紹介する「インターコミューナル・ニュース」を掲載した。

1968年、党員数は当初の400人から5000人以上に達し、全米に40の支部が置かれ、機関紙「ザ・ブラック・パンサー」は40万部以上が発行された。当初BPPは、警官によるゲットーの人々への暴行を阻止する目的で、銃と六法全書を携行して、警官に対する逆パトロールを行った。※ウィキペディアより抜粋


そして時は流れ、1980年代に入り、政治的活動では決してなし得ない乗り越えられなかった壁、その当時街に溢れていた空気感を、アフリカバンバータらがブロンクスでZulu Nationを発足させた事で、地域のくすぶるエネルギー源のぶつかり合いからブロックパーティという場を生み、アートダンスとして表現することによって、メッセージを伝えるということを確立して行く。その後、アート、エンタテインメントとして産業化していくのである。

搾取され続けて来たビジネスモデルも、自身達がビジネスオーナーになる事で次第に解消して行く。そしてコミュニティ(親族幼馴染)の人間達の雇用を生み、黒人のための黒人による日常生活地域の環境改善を促し、精神的にも経済的にも自立を果たし、社会参加を促すツールとして黒人社会自体が社会の中における地位向上と、絶対的な自尊心、求心力を得て世界中に広がって行った。

文化の育成、商業との融合の時代を経て、それらがHIP HOPの根底にあるものとなり、その文化の礎を元に現在のHIP HOP文化となる。


by Brooklyn Yas

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